Episode of the record


最終楽章の途中(およそ19分30秒)、次のように叫ぶ女性の声が収録されています。
「世界に冠たるドイツ帝国ですよ。 シューリヒトさん!」
このコンサートが開かれたのは、オランダがドイツに併合され、その結果ユダヤ人であるマーラーの音楽が駆逐されることになる1940年5月の、およそ7ヶ月前のことでした。
女性の叫びは、単純に考えると、既にこの頃オランダ国内にはナチスに共感する者がいたことを示しているように解釈することが出来ます。つまりユダヤ人が作曲した音楽を演奏するシューリヒトに反発して叫んだという解釈です。
しかし反対に、ナチス側に属すると考えられたシューリヒトに対する皮肉・あてつけとしても解釈する事が可能であるという指摘があります。そのあたりの事情については、Benjamin Maso氏が寄せた文章(英文)の後半に書かれてありますので、ご参照ください。

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