はがき(須賀川より)


 九月十九日 午后六時
雨はます/\降つてゐる。昨夜踊り子の宿の垣根に
身をつけて化粧のあつき婦をのぞき見してゐたので
足が非常に疲れたやうに硬ばつてゐる。衣紋竹にか
けて置いた羽織は雨のためにしよつなりとなつて居た。
朝飯後倉の二階でつひ寝てしまふ。家の前に屋臺が
とまつたからと起されて時計をみると十二時に間も
なかつた。祭禮中遂ニ降り通すのだらう 神輿は今
東町あたりか先觸れの太鼓の音がする。
今夜の千秋楽は見ものであらう。


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