絵はがき(貞子より大中小牧宛)

大中一郎「水野仙子の絵はがき」高校教育 18巻4号 昭和41(1966)年


 先日はお絵はがきを有難う。二十一日の午前四時須賀川を立って私も少しばかり歩いて来ました。会津の方をね。母が野沢の山の神様にお参りするのを私はお供なんです。野沢一泊、若松一泊、そして一昨日二日に帰りました。
 柳津の景はめづべし。
 東山まさに勝するにあまりあり。若松城址に朝露を踏みて二十四万石の昔をしのび飯盛山蠑螺堂の傍なる茶屋にて笹の葉にようかんのせたるは殊の外気に入りたり。風稍強くして猪湖のなみは荒かりし。げに湖畔丘上宮家の別荘は第一の眺めならん。これ皆全速力にて――

【注記】菅野俊之様によると、大中小牧さんは須賀川の学校(裁縫専修学校?)で仙子と同級生だったと、ご子息の大中一郎氏に伺ったそうです。


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